痛みのない人生をもう一度……

先日、生まれて初めてぎっくり腰を経験し、噂通り……こんなに痛いものか!!!と。

 
その時、ふと頭をよぎった「痛みのない人生をもう一度」
このフレーズ、10年以上前にも思ったことあったよな〜と振り返ってみました。
 
 
そう、あれはインドを旅行していたときのこと。
2度目の「負け」をインドで経験してしまうのか?!と頭の中で、このフレーズがグルグルと回っておりました……。
 
 
はじめてインドの地を踏んだのは、大学の卒業旅行で北インド・ハイライト1週間のパックツアーの時。
 
よく言う「インドでカルチャーショックを受けて世界観が変わった」はなかったものの、
 
「インド=灼熱の国」というステレオタイプの考えからは開放されました。
 
……というのも、私が訪れた1月の北インドは予想以上にずっと寒くって、ベナレス(バラナシ)で早朝にガンジス川をボートに乗って見学する時、薄手のコートではそれはそれは寒うて、寒うて……。
 
死体がプカプカ浮かんでる横で沐浴してる姿にビックリするとかよりも、何よりも、さ、む、い〜〜〜と震えておりました(;´∀`)
 
 
 
で、風邪を引きました。
 
 
 
小さい頃からず〜〜と見てみたいと思っていた、ハイライト中のハイライト、タージ・マハールにたどり着いた時は、熱が出てヘロヘロ(;´Д`)。

 
風邪薬飲んでぼんやりとした頭でタージ・マハール見学。
 
 
 
「北インドの冬は寒い!」と頭の中のノートを書き換えときました(T_T)
 
 
 
と、ちょっと初インドに負けてたので、2回目は勝ちに行くぞ!と思うも、いきなりビザ申請でこけたり、今度は暑さでやられて熱中症になってまる3日ほど寝込んだり。
 
また「負け」の色が強くなりつつありました……。
 
このままではいかん、今回はインドに負けへんで〜! 
と意気込むも、さーて、北から南下してインド最南端の岬の街、カニャークマリに着いた時、自分のカラダにある異変が起きていることに気づきました。
 
 
ん? んんん?
 
 
いや、まさか、この痛みは……とある思いがよぎるも、気のせいでしょ、とちょっと寝て休んでみるも……、いや、やはり痛い。
 
 
 
インド最南端、ほんま先っぽにあるカニャークマリは、アラビア海、インド洋、ベンガル湾の3つの海が交わるポイント。
ここでは太陽が海から昇り、沈むという絶景ポイント……やから、痛みをこらえて夕日を見に行くも、痛みが気になり落ち着いて見てられへん〜(T_T)
 
明日は移動もあるし……、と観念してバックパックの中からポケット版和英辞典を調べて、ドラッグストアへ。
カクカクシカジカと、中学生レベルの英語で説明して薬購入成功〜。
 
さすがインディアン・メディシン、すごい毒々しい緑色であります!
こんなん飲めるかいな〜なんて思っている余裕もなく、とにかく飲んでみる。
副作用バリバリ!て感じの薬なやし、一晩寝たらこりゃきっと……、と淡い期待をいだきながら眠りに就き……。
 
しかーし、そうは問屋が卸さない。
いくらインディアン・メディシンでも半日で治すのは厳しかったようであります。
痛みとともに目を覚まし、3つの海から昇る朝日を見に行く元気はなく……。
 
ゆっくりしたかったけど一晩でチェックアウトして、小さな海辺の町・バルカラに。
この移動が……、いや〜〜〜、実にキツかった!
 
 
そりゃ〜、ここはインドですもの、道そのものも確かにガタガタ道。
とはいえ、そこまでひどい道ではない。
移動に使った長距離バスも、日本でやったらとっくに廃車レベル!とはいえ、アジアではよくあるフツーの古びたボロバス。
そう、元気やったら別に「どうってことない」レベル。
 
フツーやったら表情一つ動かさずに過ごせるレベルやったんやけど、この時の私はちがった。
ガタっとくるたびに、ビクッ、ズキズキ〜〜〜。
断末魔の叫びな顔です……。
 
そんな状態で、ガタガタ道を長時間……、到着する頃にはハァハァ(;´Д`)。
 
 
さて、これだけ私が苦しんだ理由は……、
 
 
 
えーーーーーーーと、
 
 
 
とっても言いにくい(書きにくい)んですが……、
 
 
 
 
 
 
 
えーーーーーーーーーーーーーーーと、
 
 
 
 
 
「やまいだれ」に「寺」と書いて、
 
 
 
 
 
 
 
 
そう、「痔」です!!!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
28歳の私、生まれて初めて「痔」を発症しました。
しかも、インド最南端の地で……。
 
 
 
 
 
ほかの旅行者の話から、「下痢」くらいは当たり前、
「チフス」「デング熱」「マラリア」あたりも多少は
覚悟してたけど……。
「痔」はさすがに想定外のオプション(・∀・)b
 
 
カニャークマリに着いて宿を探してすぐトイレに行き、
排泄行為、すなわち脱糞ですね、した後に
 
 
「いてててててて〜〜〜!」という痛みを感じ、それからどんどん痛みが
ひどくなっていき……。
 
 

 
インドネシア、シンガポール、マレーシア、タイ、ネパールを経てたどり着いたインド。
次はエジプトのカイロに飛ぶ予定で、そこからヨルダン、シリア、トルコ、イランと
周る予定やったので、まだまだ旅は折り返し地点にも……。
 
でも、この痛みは、たとえるならば、因幡の白うさぎのように皮を剥がれたところに、粗塩をすり込まれるような……?
これはなった人にしかわからん痛みかと。
 
小さい頃よく新聞広告で見た
「痛みのない人生をもう一度」
というヒサヤ大黒堂のコピーが、「うむ、確かに……」とトイレでうずくまりながら、頭のなかでリフレイン。
 
 
とっても無念やけど、旅行を中断して帰国するか?!
そんなことまで頭をよぎりました。
 
 
ちなみに、その1ヶ月前、ネパールにいた時、父から
「2年前に手術した直腸ガンが転移再発して前立腺ガンだとわかった。でも、放射線治療で大丈夫だから、心配せずにおまえはそのまま旅を続けて、見識を広げてきなさい」
とメールが届いておりました。
 
「ええええ〜! お父さん、大丈夫?!」
と驚きながらも、「じゃ、お言葉に甘えて旅を続けさせていただきまっさ」と1秒後には旅行続行を決断していた親不孝な娘です。
こりゃ、バチでしょうか(;´∀`)
 
 
父のガン再発では帰国せず、自分の痔で帰国?!
二回連続、インドに負けてしまうのか〜〜〜(´;ω;`)
 
 
 
ネ、ネタになるかちら……?
でも、私、一応女やから恥ずかしくって言えない〜〜〜〜。
さらに、今いてる街から帰国しようと思ったら……、
一番近いのはムンバイ(ボンベイ)やけど、かなり遠いぞー。
その移動にこのお尻に爆弾を抱えた状態でたどり着けるか?
考えるだけでも悶死してしまいそうな。
 
海外旅行保険が使えそうな病院もこんな南インドの田舎やったら
ないよーーー。
 
仕方がない、
静かな浜辺でひたすら安静に。
ドラックストアの人に言われた「辛いモノは今は食べないように」「硬いものではなく、柔らかいものを食べるように」を守って、大好きなサモサをぐぐぐぐぐーーーっと我慢。
 
移動無しで、数日おとなしていたら、さすが毒々しい真緑のインディアン・メディシン、効果抜群です!
 
 
トイレに行って……、用を足しても……、
 
 
 
「い、いたくな〜〜〜〜〜い」
 
 
 
 
痛みがないというのがこんなに幸せとは知りませんでした。
 
 
 
 
これで、しばらく我慢していたサモサも食べられます!
 
 
 
いつも失ってはじめて、ありがたみってわかるもんです。
ぎっくり腰になって立てなくなってはじめて、腰が痛くないことの幸せに気づく。
 
 
 
「足ることを知る」
 
昔は、この言葉って、なんか向上心がなく、現状で満足しろって言われているようで、なんか嫌でした。
 
けど、これってそういうのではなく、「今あること」はすべて「当たり前」ではなく、「有り難いこと」と気づいて感謝するいうことなんですね。
 
 
そう、毒々しい緑のインド薬と静養で回復し、その後も無事旅行を続行させることができたのでありました。
(もちろん、帰国までにまだまだやらかしましたが)
 
 
 
病気を自分自身の成長のための
贈り物ととらえることが
病気を治すための最高の手段である
 
〜アンドルー・ワイル〜

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